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話の話。

個人的に気になった今日のニュース。

・・・初めての殺人事件。私の体験談①。

私には小学生の頃、親友がいた。

彼女は秋田県からの転校生で明るく優しい人だった。

小学校を卒業したら別々の中学校に行くことが決まっていたけれど、それでも変わらず遊んでいく関係が続いていくはずだった。

あんなことがなければ・・・。

卒業式を終えてからも、相変わらず彼女は私の家にちょくちょく遊びにきていた。

ファミコンをやったり、海まで自転車で遊びに行ったり、今まで通りの関係。

自他共に認めるほどの仲よしだった私たちにも、いくつかの禁句があった。

私に対して、彼女はお父さんのことを絶対に聞かなかった。

そして、私は、彼女に対してお母さんのことを絶対に聞かなかった。

・・・・・・。

遠足や運動会のたびに、彼女は隠れてお弁当を食べていた。

どうしてだろう?

気になってお弁当を覗いてみると、白いご飯に醤油だけかけられたお弁当がそこにはあった。

『お母さん、また酔っ払ってこんなお弁当しか作ってくれなかったんだよ』

彼女は無理に笑ってごまかした。

彼女のお母さんがアル中だと、私だけが知っていた。

・・・小学生だった私に、その後におこることがわかっていたとしても、何もできなかったのかも知れない。

でも、何かしらできたのでは?と今でも時々、考えてしまう。

春休みが終わる直前の夜だった。

我が家の家電が鳴った。

相手は担任で、受話器をとった母は何度も私の親友の名前を言っていた。

『今日の昼間もうちに※※ちゃん遊びに来ていたんですよ』と言ったりしていた。

母の表情や口調から、子どもながらに嫌な予感がしていた。

廊下に拡がる夜の闇が、いつもよりも暗く濃く感じた。

それでも廊下の電気を点ける余裕などはなく、母にくっつくようにして、暗闇の中、電話が終わるのを待った。

電話を終えた母は私に、親友のお父さんがお母さんを殺害して逮捕されたこと、親友が秋田県の実家に引っ越したことを話した。

親友のお父さんが仕事を終えて帰ってみると、いつものように親友のお母さんは呑んでいたのだろう。

親友の目の前で親友のお母さんは殺されてしまった。

親友はどんな気持ちだったろう・・・。

親友とは、それ以降、音信不通になってしまい、今どうしているのかもわからない。

彼女が今、幸福であれば良いと思う。

そう強く願う。


了。